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脳内会議

考え事が好きな人の頭の中身

私を消費しないで

以前、相談事を私に話してくれる人が多かった。

 

それは私が人の話を聞く勉強をしていたからだと思う。

「うんうん」と一通り話しを遮らずその人の話を聞く事ができる。

話す人は、それだけでもかなり満足するらしかった。

 

私はというと、そんな大層な悩み事をわざわざ私に話してくれるなら、一生懸命聞こうと思い、とにかくひたすら話を聞いていた。

 

私にだって悩みの一つや二つある。常に悩みを抱えてる。結構大きな悩みを抱えてる時もある。それでも他人の話を聞いた。

 

話し終わった相手は満足して帰って行く。

私は聞きつかれてぐったりして帰って行く。

正直、しんどい。そう思った。

 

でも私に承認欲求もあったせいで、それでも何とか役に立ちたいと話を聞いた。

話しを聞いてはぐったりした。

 

それでも人に優しくしたかった。だから話を聞き続けた。

普段そんなに仲がいいわけでは無いのに、悩みを抱えた時だけ私を呼び出してひたすら話をし続ける人達。

うっすらと「利用されてるのかなぁ」なんて思いがよぎった。

でも、話を聞き続けた。

 

ある日、例のごとく私を呼び出した人がいた。

あぁ、またなのね、と思いつつも会いに行った。

待ち合わせ時刻になってもその人は現れ無かった。

イラついた。

しばらくして「子供がぐずってて、やっと今から家をでる」との連絡が来た。

イラついた。

 

しばらく待ってようやくその人が来た。

食事を食べながら話を聞いた。

ひとしきり話を聞いてひと段落した頃、その人がこんなことを言った。

「聞いてくれてありがとね。仲の良い友達には話せなくて…」

そう言いかけて『あ、まずい』という顔をした。

私は聞き逃さなかった。心中穏やかではなかったが「話ずらい話だもんね」なんて相槌を打った。

 

家に帰って、モヤモヤイライラする頭で色々と考えた。

「私はいったい何をしてるんだろう」と。

「私はいったい何のために自分を削ってまでこんなことしてるんだろう」と。

「そこまでしてその人の役に立ちたいのだろうか」と。

 

当然答えはNOだった。

そして思った。

 

私にはもしかしたら人より話を聞くスキルが高いのかもしれない。

そのスキルは人の役に立つのかもしれない。

でも、私は誰の役に立ちたいのだろう?

 

私は私が愛せる人の役に立ちたい。

私の手が届く範囲で、私が助けたいと思う範囲で、私が愛せる人たちの役に立ちたいんだと。

 

それ以外の人の為に、自分の労力と時間を割きたくはないんだと。

 

その考えに至ってからは、すっぱりその人たちの誘いは断るようにした。

「私に話を聞いてもらわなくたって、貴方には仲の良い友人たちが他にいるんだろう?

 だったらその人たちに聞いてもらえ。私を都合よく消費するな」

そう心の中で唱えながら。

 

それからずいぶん私のココロは軽くなった。

他人からいらない負担を貰い過ぎていたようだった。

 

今、私にわざわざ相談だけをしにくる友人はいない。

普段から食事に行ったりする中で、時々悩みを相談してくれる。

そんな時、私は心の底から「よし、こい」と思う。

大切な友人たちの悩みなら、いくらでも聞き続けてあげたい。

そう思うから。